まず著作権保護期間までTPPで決めるということにいささか驚いたが、現在TPP加盟国の著作権保護期間を70年で統一しようという話になっているらしい。日本での保護期間はいま50年なので20年長くなるのだが、どう考えても長すぎる。
著作権の保護って本来は著作権者のためのものでしょ? 百歩譲って遺族も保護すべしということになっても30年も保護すれば十分でしょう。現行の50年でも長過ぎるぐらいだ。
著作権が切れれば、たとえば自由に朗読してオーディオテープを売ったり配布したりすることもできるし、著作権が切れた作品を自分で訳して新訳版を電子書籍として出版することもできる。著作権が切れた古典を下敷きにして現代版の新しいものを作ることもできる。個人レベルで見れば著作権保護期間が長くなって良いことなんて、権利持っている人間以外には皆無だと思う。そしてその権利持っている人間が著作者の未亡人やら子供だったらまだしも、関係ない人間が経営する企業だったりすると、なんのための保護なのかという疑問が湧いてくるのも至極当然だろう。
著作権を保護するのであれば、現在進行形で活動している人間の著作権をしっかりと保護してほしいものだ。私は写真家なので写真家としての立場で言えば、世界各国の絶景の写真を撮影者に無断で勝手に投稿してFacebookやTwitter等でフォロワーの数を増やし、世間の注目を集め、そのフォロワー数を売りにして出版したりして儲けている人間がいる。当然そのまま出版するわけには行かないので、たいていの場合は出版の段階で安いストックフォトなどに差し替えているようだが、最初にネット上で無断利用された写真の著作者にはびた一文はいらない。絶景地の情報なども他のブログ等からの流用で自分が現地に行って取材したことは殆ど無いくせに平気で出版する。そうやって儲けている人間が罰せられるどころか、賞賛されているのだからまったくもって困ったものだ。そういう連中にひとこと言いたい。お前らは単なる泥棒だ。
そして、そうやって他人の権利を侵害して成功することが容易いことだと知っていても、私は絶対にしない。お天道さまに顔向けない人生は生きたくない。奴らは成功したかもしれないが魂が汚れている。お前らは汚れだ。腐れファッキンサノバビッチめ。
いま現在著作権を侵害されて困っている著作者を助けてほしい!
しかし、実際には生活に苦しむアーティストのことなど知ったことではなく、ディズニーなどを始めとする著作権ビジネスで儲けている会社がロビイストを通して政治家に影響を与えているだけなのだろう。
著作権を侵害しているコンテンツにいいね!したりシェアしているのも大衆。いまだにディズニーのキャラクターなんか(個人的にはミッキーとか不細工で全然かわいいとは思わない。ピカチュウのほうが100倍かわいい)をありがたがって大枚をはたいているのも大衆。結局そういうことなんだろう。民主主義国家の「でき」というのは有権者である大衆次第。だから単なる知識や技術以外の教育が重要になる。一人の有権者として、「馬鹿な民衆」として大企業や政府に都合良く操られることなく、ある程度の見識をもって生きていけるようにしていきたいものだ。
死後の著作権保護期間はもっと短いほうが良い。