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ニコンが大幅減益

ニコン、最終益74%減に下方修正 映像事業は「さらに厳しい市場」に

D850のヒットで息を吹き返したかのように見えた時期もありましたが、一時的な現象だったようで、ニコンが大幅減益です。Zマウント自体はフランジバックが短く径が大きいという魅力的な仕様ではありますが、仕様を公開しなかったためサードパーティ製のレンズが乏しいのが致命的だと思います。中国系のメーカーがZマウント用のレンズをいくつか出しているようですが、タムロンとシグマがZマウント用のレンズを出さないのは大きい。とりわけ立ち上げた直後のレンズが少ない時期は致命的だと思います。本気でマウントの覇権を取りに行くのならば頭を下げてでも作ってもらうべきでしょう。

一方ソニーのFEマウントはもともとAPS-C用だったので径は小さく、技術的な面での魅力は薄めだと思いますが、いち早くフルサイズミラーレスにコミットしたために覇権を握りました。タムロンはもちろんLマウントアライアンスのシグマもソニーFEマウント用のレンズを作っていることから、もはやその地位は揺るぎないものだと思います。実際、操作性や堅牢性に難があるとはいえ、ボディの性能自体はピカイチですね。

ニコンZ6/Z7はファームウェアアップグレードでRAW(動画)に対応すると宣言したものの、未だに実現せずにSIGMA fpに先を越される始末。動画も撮るハイブリッドフォトグラファーの間でZマウントが普及する可能性は低そうです。いままで通りソニーとパナソニックを中心にまわっていきそうです。動画色が強い人はBlack Magic Designにも惹かれるでしょう。

キヤノンはEF、EF-M、RFと一社で3つのマウントをサポートしなければならないのが致命的です。EF-Mは潔くディスコンしてAPS-CミラーレスもRFに統一しない限り勝ち目はないでしょう。しかしそうすると一時的に大きな傷みを伴うので先送りにしている。ニコンがNikon 1をなかなかディスコンできなかったのと同じです。

こんな状況にあってニコンが取ることができる戦略とは? そのヒントは先日発売した58mm f/0.95あたりにありそうです。受注生産品とはいえ、あんな高額のレンズが瞬時で売り切れた訳で、一部に熱狂的な信者がいる。高級感を演出して利益率の高い商品をこういう人たちに売っていくしか無いのではないでしょうか? つまりLEICAのようなビジネスモデルです。日本のカメラメーカーでこういう売り方ができるのってニコンぐらいでしょう。キヤノンはコピー機とかも出しているので、高級感を演出するのがちょっと難しい。

「ヨーロッパはブランドを使って楽して儲けている」みたいな話をよく聞きますが、日本企業も生き残るためにはこの道を選ぶしか無いのではないでしょうか? 

Tamron 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010)

旅行・山行用に軽くてそれなりに写る便利ズームが欲しくなった。普段から愛用しているSIGMA 24-105mm f/4 DG OS HSM | ARTは便利さと画質を兼ね合わせたモデルで、解放での周辺減光さえ気にならなければ便利な上にかなり高画質という素晴らしいレンズだ。が、重量は結構あるし、もう少し望遠が欲しいシチュエーションもよくある。Tamron 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD Model (A010)はとてもコンパクトで軽い割にはなかなか評判が良かったので、ちょっと試してみた。

_9E63945Nikon D800E + Tamron 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010)
28mm, f/11, ISO100, 1/10sec.
ピントは手前の家
f/11の等倍はこちら
f/22の等倍はこちら

安くて軽い割にはそれなりに写るが、私が手に入れた個体は明らかに右側の画質のほうが悪い。上下左右均等に劣化してくれれば使いやすいのだが、この手の便利ズームは個体差が激しいので、そういう個体を手に入れるには何本も買って一番良いのを選ばないと難しい。中央部分の画質悪化と小絞りボケ覚悟でf/16やf/22まで絞れば若干改善するが、手持ちの時はなかなかそこまで絞れない。AFも実は微妙に外れているということがよくあるので、手持ちで撮るときはピントを何回も合わせ直して、当たっているショットを期待するしか無い。風景撮るときはライブビューで拡大して完璧に合わせれば問題ないが、当然動き物には向かない。便利ズームだからしょうがない。

ちょっとこの周辺画質だと厳しいかな、というのが正直な感想。右端の画質が残念だ。偏りのないあたり個体だったらFXでもf/11程度の絞り値で周辺が許容範囲内に収まると思うので、かなり便利だとは思う。当たり個体が届いていたら絶賛していただろう。

周辺がダメならDX機につけて換算42mm-450mmで使ってみるのも一興かと思って試してみが、驚いたことにテレ端の画質はSP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A005)よりも解像度が良かった。

_DSC4401Nikon D5300 + Tamron 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010)
300mm, f/11, ISO100, 1/6sec.
ピントは幼稚園の壁
Tamron 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) 等倍
Tamron SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A005) 等倍

コントラストと色乗りの違いは降りだした小糠雨の影響もあるかもしれません。WBオートで撮ったので、LRで同じにしました。明るさは若干調節しています。Gitzoの三脚にリモートレリーズで撮ったのでブレではありません。200mmも同様の傾向でした。

ちなみに70mmで比べるとA005の圧勝でした。A010はテレ端で頑張っていますが、ワイ端では24MPのAPS-Cでは中心部でも解像度不足が気になります。

コンパクトなのでD5300用の標準〜望遠便利ズームとして使おうかと思います。D5300はGPS内臓なのでロケハンを兼ねた旅行には調度良い。A010は当たり個体を求めてもう2、3個買うかもしれません。苦労して手に入れた当たり便利ズームは手放せませんよ。単焦点なんかはそんなに個体差無いですけどね。

追記
広角で風景を撮る場合は無限遠に近いところで撮ると隅がかなりあれますが、ピントをなるべく手前に設定して絞り込んで被写界深度を深くすると、若干改善されるようです。

追記2
結局一週間ほどで売りました。28-300mmは重さ1kg以上、フィルター系82mmとかでも良いのでもう少し使える画質のレンズをどこか出してほしい。28-200mmでも構わない。