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アル中と風景写真の微妙な関係

日本のコンテンツの国際的な需要って春の桜が圧倒的で、クライアントからの撮影依頼や通訳ガイドの依頼に自分の撮影が重なってめちゃくちゃ忙しい。最近は秋の需要も増えていて、すでに紅葉の時期の予定が埋まりつつある。

自分の場合、春と秋以外は頑張って撮ってもあまり金にならないし、夏場は出かけようにも避暑地に住んでいるので近所が常に混雑しているし、夏場に家にいないんだったらなんのために避暑地に住んでいるのかよくわからない。たまに所用で東京にいくとほんと糞暑くてうんざりする。暑いの苦手なんですよ。人混みも。夏の東京はダブルで辛い。

というわけで、梅雨あたりから編集や登録等、家での地道な作業が増える。が、これがつまらない。ほんとつまらない。うんざりする。で、結局、酒の量が増えてアル中気味になる。私の場合、アル中を避ける唯一の手段が寝食を忘れてゲームに嵌まることなので、結局8月は家でずっとドラクエ11とモンハンワールドしてました(恥)。

アル中って要するに現実逃避ですから。ゲームと通底するところがあるんですよ。しかし、決定的な違いがあって、アルコールは習慣的に飲む量が増えれば増えるほど中毒になるけど、ゲームの場合はプレイし始めてすぐに中毒度がピークに達して、カンストする頃には飽き飽きしている。だから1つのゲームに飽きて次のゲームに移るタイミングで真人間に戻るチャンスが来る。

自分の場合、ゲームに嵌まると廃人プレイしちゃうんで10年以上やめてたんですけどね。未だに40時間ぐらい睡眠とらずにぶっ通しでゲームしちゃう自分にちょっと感動した。ゲームってほんとコスパ良いよね。映画100本とかに相当する時間のエンターテイメント体験を数千円で提供するんだもん。2つ合わせてもビール20本ぐらい? すごい。

制作に関連したみなさまどうもありがとうございました。おかげさまでアル中が(一時的に)治りました。フルダイブのMMORPGが完成した頃に、廃人プレイできるように今のうちから経済的な基盤を確立しないとね。それまでは死ねない。地道な作業、がんばろう。アル中になりそうになったらまたゲームしよう。

ま、涼しくなってきたので撮影がんばります。ってか撮影は頑張る必要ないんだよね、楽しいから。タグ付け・登録作業担当のパートさんを雇えるようになる日を夢想しながら、今日も地道に働くか。雨だし。

CANON EOS R発表についての雑感(あるいは業界の動向についてのただの愚痴)

新しいカメラが出たときにまず注目するのが動画機能。というかよほど大きくプリントしたいとか、よほど連射とAF性能が必要だとか、よほど高感度に強いとか、よほど下手くそでもとにかくシャッターボタンを押してりゃ撮れるとか、そういうニーズ以外、これ以上なにをスチルカメラに求めるのか? 業界としては『フルサイズミラーレス』をバズワードにして売りたいんだろうけど、一般的な消費者はスマホさえあれば良い。
一番頑張ってほしい基本的な性能であるダイナミックレンジはここ十年でせいぜい1~2EVぐらいしか広がっていないし、階調表現もたいして進化していない。実のところ静止画の画質なんて5DM2の頃からあまり変わっていない。真っ暗闇でも合焦するAFとか、ものすごく食いつきの良いC-AFとかそういう「誰でも撮れる」って部分の機能だけがどんどん進化している。
おかげで10年経ってもストックフォトとしての価値があまり下がらないのはありがたいけれど、デジタルオーディオの世界はあっというまに8bitのド素人が聞いても汚い音から24bitに進化したので、画像・映像の世界の進歩は本当に遅いなぁ、というのが実感。

 

だからD800とか5D3あたりを未だに使っているプロとしては、見栄と物欲いがいはあまり買い換える理由がない。プロの場合は浪費ではなくて投資なので、コスト管理がシビア。ようするに機材を買うことで収入が増えないと意味はない。
例外的にすごく儲かっている人は特に必要性がなくてもどんどん買う。特に30万以下のクラスならば、経費として一括算入できるので、どうせ税金でとられるんだったら買っちゃうか〜みたいなのりで買える。あとはメーカーの広告・販促サポートが生業のプロ写真家たちは、当然、自分のお客さんの製品を絶賛して、まるで買い替えが必要かのように煽る。それがお仕事なので。でも実際に成果物を販売して生計を立てるプロにとっては、静止画の画質のために新しいカメラに買い換える必要性は薄い。
ま、とにかくここ10年でスチルカメラの機能は良くなったけれど、画質自体はあまり進化していない。
そんななかで劇的に進化しているのが一眼カメラについている動画機能。GH5なんて動画9割、静止画1割ぐらいの割合で使っています。それに動画のほうがスチルよりも儲かる。というかたいして儲からないけど、スチルほど過酷な状況ではない。先日、NYCのタイムズスクエアの映像を360 VRでみて驚いたのたけど、広告は殆ど大型TVになっている。都内をドライブしているときも広告募集中のビルボードがすごく目につく。大型TVに置き換わっている以上に、スマホがターゲットの広告が増えているので、高画素機とかなんに使うの? って感じはかなりする。スチルの広告写真はこれからもどんどん動画に置き換わるわけで、こんな状況でスチルカメラに多大な出費なんてしてられないのです。でも、プロ用の動画機としてみるとすごくコスパが良い。

 

動画の世界には「名前がでるだけで大喜びして、無料で喜んでプロの仕事をしちゃうハイアマ」がほとんどいない。この点も大きい。そういう「名前がでるだけで大喜びして、無料で喜んでプロの仕事をしちゃうハイアマ」がたくさんいる世界のプロは死に絶える定めです。ある程度以上の技能を持った層の大半が「名前なんてどうでもいいけど、金はしっかり払え」という業界じゃないと生活できません。クレジットを載せるから無料で写真を使わせてください、とか連絡してくるTV局、タヒね。とか思わず感情的になってしまいたくなるときもたまにある。
 
閑話休題。ま、そんなわけで今回のEOS Rもまずは動画機能に注目してみたが、なんと外部出力だと4K 10bitいける! これは思い切ったことをした。
 
キヤノンのデュアルピクセルCMOS AFはソニーよりも更に評判が良いので、動画でAFを使いたい人にはすごく良さそう。この点、PANASONICもだいぶ良くなったけどまだまだ負けてます。ちなみにNIKONのAFは動画用としては論外なレベル。Zシリーズは試していないけど、この点に関してはまったく期待していない。
 
もしクロップなしの全画素読み出しならば、ソニーのαシリーズより動画用としては良いでしょう。ただし画素数が多いのでローリングシャッターは気になるかもしれません。Cinema EOSがあるのによくここまで出してきたなぁ、と感心しました。C200の購入を検討していた人はだいぶこちらに流れるでしょう。FS5、URUSA Mini-Pro、EVA-1あたりも含めて、安めのプロ動画機を買う意味がなくなってきています。
 
これでA7S3も10 bitに対応せざるを得なくなりましたね。もはやチキンレース状態。ソニーとキヤノンはプロ動画機を守るために出し惜しみしてきたけど、出し惜しみできない状態になりました。プロシューマー機で稼がないとならないプロには良いことです(笑)。
 
ニコンも最近動画がんばっているけど残念ながら周回遅れです。ただしタイムラプスに関してはニコンが一番良いと思います。ソニーは本体から機能削ったし、PANASONICはインターバル撮影中にISOやSS等をマニュアルモードでも変更できないので明暗差が激しい朝夕の使用は厳しい。Nikon機はタイムラプス中のバッファの使い方が巧みで、同じSDカードでもニコンだとディスクフルにならないし、シャッタースピードもギリギリ長く設定できる。GH5はUHS-IIの一番速いSDカードでも1秒間隔でRAWを撮ってると500枚程度で書き込みが間に合わなくなることがありますが、D800Eのような旧型機でずっと遅いCF/SDカードにずっと大きいファイル(36MB 14bit RAW)を1秒間隔で書き込んでもニコンでは999枚余裕です。0.5秒間隔で撮れるのもニコンだけ。露出平滑化機能もある。
 
しばらくは様子見ですが、キヤノンのRのほうがニコンのZよりは面白そうです。Z6/Z7だったらD850のほうがずっと良いカメラかな、というのが正直なところ。ミラーレスか否かという点に注目が集まっているけど、カメラとしてどちらが良いか、という点のほうがずっと大事だと思います。EOS Rの場合、少なくとも5D4よりはだいぶ良さそうに見える。

P.S. やはりローリングシャッタはかなり酷いようなので被写体を選びますね。
https://www.youtube.com/watch?v=SAZKPQRBREc

Facebook株急落について思うこと

Facebook株が急落–時価総額が1日で約13兆円減少

Facebook株の急落で真っ先に気になったのが、360VRの将来がどうなるのかということ。現在、静止画と動画で稼いでいるが、360VRコンテンツへの参入を検討していたので将来が気になる。FacebookはOculusを買収していて360VRやる気まんまんなんですよね。まぁ、本業のSNSビジネスが頭打ちならば投資は継続するのかな。

しかし急落したと言っても株価はまだ176ドルある。確か株式を公開したときは40ドルとか20ドルぐらいだったような気がする。当時はGoogle+をメインSNSとして利用していたこともあって、周りはアンチFacebookばかり、どうせすぐに公開価格割れするとか一時的なバブルだとかそんな発言が多かったけど、買っておけばよかったなぁ。

そのGoogleについても同様で、私は翻訳業界にいたこともあって1998年、つまり創業直後から使っているんですよね。Googleが現れるまではAlta Vistaを使っていた。しかしGoogleが株を公開したときも買わなかったんですよ。Amazonも日本でサービスを開始したときに同時に利用し始めたのに株を買うという発想がなかった。はぁ。

よく老後に備えて貯金とか言うけど、自分が好きな分野とか得意な分野に限って投資するのが一番良いと思う。いま30年前の自分に一言アドバイスできるとしたら「自分が好きな分野に投資しろ」と言いますね。もう一言いって良いなら「10年単位で物事を考えろ」かな。一年の計をたてるひとは多いけど、10年単位で考えられる人は少ないんだよね。一発逆転とか一攫千金とか浮ついた考えを若いうちに捨てることができていたら・・・ま、生来の性格ゆえ、無理かな(笑)

まだ私もくたばりかけてはいないので、これからのことを考えてどこかに投資しよう。360VRのコンテンツを制作するというのも時間とエネルギーの投資だよなぁ。この分野はテクノロジーの伸びしろが大きいのでいまInsta360 Proクラスで撮っても5年経ったら解像度が不十分ってことになるかもしれない。

要するに未来のことはわからないけど、どこかに賭けないといけないってことですね。たとえ公務員になったとしても、本命馬の複勝を買っているような人生というだけで、絶対に安泰というわけではない。

Videoblocks (Storyblocks)のCEOからメールが来た

と言ってもコントリビューターみんなに送っているやつです。

要するにいままでは会員の会費だけでサイトを運営して、クリップの売上は全額コントリビューターに支払っていたけど、8/1からは50%になりますって話のようだ。ちょっとこのサイトでも売れだしてきた矢先だから痛い。それでも他のサイトと比べて特に悪い条件じゃないから置いておきますけどね。どうせ登録作業はみんなまとめてコピペでやってるし。

ま、スタートアップのときは大盤振る舞いでコントリビューター(コンテンツ提供者)をたくさん集めて、軌道に乗ったらコミッションレートを変えるっていうのは常道手段だよね。PIXTAもやった。昔はいちいち怒ってたけど、もう最初から織り込み済み。そのうち動画も売上とか貢献度に合わせてコミッションレートが変わる時代が来るだろうから、その時までにカタログを充実させて最高レートをもらえるようにしておかないとね。

https://www.videoblocks.com/portfolio/kritayuga

 

GH5用のSDカード選び

ずっとニコン機で風景を撮ってきたので当初はNikon D850を買うつもりだったのですが、最近動画の仕事が増えてきたのでPanasonic GH5を買いました。D850も歴代ニコン機の中では一番動画の性能が良さそうですが、いろいろと動画について調べているうちに、4K(約800万画素)程度だとセンサーサイズやレンズの解像度よりも大事な要素がいろいろあることがわかってきました。

風景の動画でいちばん大事なのはビットデプスだと思います。Logを使うことである程度ダイナミックレンジは補えるのだろうけど、8bitだと空の階調がかなり厳しいです。CAFについてはソニーやキヤノンのほうが圧倒的に良いのですが、MFで風景メインの私にはGH5が現時点では一番コスパが良さそうです。

GH5はAtomos Ninja Inferno等の外部HDMIレコーダーを使用すると、ProRes422HQという業界標準のハイクオリティなフォーマットで録画できるのですが、流石にファイルが大きくなりすぎるので、ストレージの時間的・金銭的なコストが掛かります(4K QHD 3840×2160 29.97 fpsで800Mbpsぐらい)。現時点では導入を見送りました。動画の収入がもう少し増えたら考えます。

というわけでSDカードに録画することになるのですが、一番良いクオリティのAll-I 400Mbpsもファイルがかなり大きくなってしまいます。128GBで42分しか録画できません。All Intraとかキーフレーム等の説明はうまくまとめているサイトがたくさんあるので省きますが、風景のように動く要素が少ない場合は422 10bit IPB 150Mbpsで良さそうです。動いているものが多いものをハイクオリティで撮りたいときだけ、ALL-I 400Mbpsで撮ることにしました。

で、動画用に新たに購入したSDとすでに使っていたSDカードでテストしてみた結果がこちら。

SanDisk Extreme Pro 300MB/s UHS-II U3 128GB:
400Mbp、150Mbpsともに容量を使い切るまで使用可能。
(さすがに高いだけあって完璧です)

Lexar 1000X 150MB/s UHS-IIU3 128GB:
400Mbpsは7分30秒ほどで録画停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。
(Youtubeで10分以上録画できたという報告もあります)

SanDisk Extreme Pro 95MB/s UHS-I U3 64GB:
400Mbpsは19秒で停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。

SanDisk Ultra 80MB/s UHS-I U1 128GB:
400Mbpsは12秒で停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。

Sandisk Ultra 48MB/s UHS-I Class10 64GB:
400Mbpsは6秒で停止。150Mbpsは1分前後。

Transcend 90MB/s 600x UHS-I U1 32GB:
400Mbpsは8秒、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。

SanDisk Extreme Pro 95MB/s UHS-I Class 10 U1:
400Mbpsは17秒で停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。
(D800Eと一緒に5年前に買った旧型の割には頑張っています。金色のやつです)

400Mbpsで長く撮る必要がない場合はLexar 1000xがコスパ良いですね。150Mbpsで使用する場合はSandisk Ultra 80MB/sがコスパ最高です。SonyのUHS-II 100Mb/s (Writing)のやつが両方無制限に撮れれば、400Mbpsをよく使う人には一番コスパが良さそうです。だれか人柱になってください(笑)

RX100M5でも動画を撮るのですが、こちらはU3対応じゃないと100Mbpsでの録画をシステムが許可しません。60Mbpsで撮ることになっちゃいます。PanaosonicもU3を推奨しているようですが、ご覧のようにU1でも速ければ150Mbpsで無制限に録画できちゃいます。ちなみにRX100M5はU3対応でも最長5分です。ポケットに入るサイズなので仕方がないと思いますが、手ぶれ補正が弱いので三脚かジンバルが必要になるため、4K動画を撮るときは結局かさばります。動画用として考えている人はそのあたりもちゃんと考えたほうが良いです。GH5は手ブレロック機能を使えば手持ちで4K動画が撮れるので生産性は高いです。手ぶれ補正だけの性能で語ればG9 ProとE-M1 Mk2のほうが上なんでしょうが、総合的に考えるとGH5はバランスが良いです。

GH5を買ってからRX100M5の出番が減ったので、先日発表されたHuawei P20 Proあたりを買ってスマホとポケットコンデジの役割を兼用させることになりそうです。SIMフリーで出るかな?

一眼レフがミラーレスに取って代わられる?

「一眼レフが無くなってミラーレスに置き換わる」って話を近頃よく聞く。いや、初代α7が出た頃から聞いていたけど近ごろ聞く頻度が増えた。私も昔はそう思っていたけど、ちょっとちがうんじゃないだろうか、と今は思っている。いや流れ的にはそうなんだろうけど、ミラーがついてるかどうかなんてのは瑣末な問題だと思う。そうじゃなくて、スチール写真は動画の一コマに過ぎないって状態になるんじゃないだろうか? 4K RAWで動画が撮れるプロシューマー機はもうすぐそこまで来ている。

写真集などの大判印刷する必要のない領域で、今の高画素機を使う理由はない。いくらトリミングできると言ってもね。全体の画素の一割〜二割ぐらいしか使わない前提? α9が連射すごいって言ってもPhantom Flex4Kなんて4Kで1000FPSだから、全然次元が違う。すでに個人でRED Scarletあたりを買って風景を撮り歩いている人もいるようだが、そういう人が増えるんじゃないかな。たまたま決定的瞬間を写してしまう可能性も高まるだろう。

もともとスチルのカメラマンで今は動画で稼いでますって人も多い。この意見は別に私のオリジナルでもなんでもなく先輩の写真家の受け売りです。が、先日Panasonic GH-5で4K動画を撮って実際に実感しました。理解するのと実感するのは違いますね。スチルがビデオの一コマでしかない時代はもうすぐそこまで来ている、と確信しました。

GH-5って一応スチルカメラなんだろうけど、実際には動画目的で買っていく人が多いですよね。長秒露光みたいなスチルならではの領域に特化した機種はニッチな市場を捉えて生き残るのかもしれない。一方で秒単位のショットもタイムラプスの一コマにすぎない、という考えもあるでしょう。

スチルカメラの存亡の危機というより、スチルカメラとビデオカメラの間の壁はすでに崩壊しているといったほうが良いかもしれない。REDやARRIなどのハイエンドビデオカメラメーカーも含めた競争の時代になるのではないでしょうか?

そこでちょっとニコンについて考えてみると、D7500やD500も4K動画をサポートしているけれど、センサーの真ん中あたりを4K分クロップした動画のようです(つまりスチルと比べると1.4xぐらいに画角が狭くなる)。またD5の4K動画も同様に等倍切り出し。なのでセンサーの性能をフルに使えない。等倍で完全な解像感のないベイヤーセンサーだと、中心部の切り出しとはいえ解像感は今一つになってしまう。そもそもこの仕様だと超広角で動画が撮れない。ちなみにCanon 5D4も同じような等倍切り出しの仕様のようで、500MbpsのMotion JPEGで巨大なファイルを作る割には、解像感はいまひとつのようです。使える動画機能をもたせちゃってCinema EOSが売れなくなると困るのでしょう。

その点、D850はビデオカメラとしてもなかなか良さそうです。D850はちゃんとFX(フルサイズ)とDX(APS-Cサイズ)で4Kが撮れる! 他のニコン機とは違い等倍切り出しではありません。DXでも2000万画素程度あるので4K動画の解像感は十分です。同じレンズで焦点距離や被写界深度をいろいろと選べる。つまり一粒で二度美味しい。

ただし動画のクオリティはビットレート150Mbpsでどうも8bitっぽい。4096ピクセル幅もサポートしていない。このあたりはGH-5に負けてしまうけど、ビデオカメラとしても悪くはないでしょう。少なくとも今までのニコン機よりはずっと良い。

4K動画をサポートしながらRAWでの動画撮影が不可能で、100Mbps(Sony)や150Mbps(Nikon)の低ビットレートでしか撮れない、というのは静止画に例えてみればjpeg normalでしか写真を撮れないような状態なのだと思います。いくらセンサーとレンズが良くても、それじゃ最高の画質は得られません。GH-5の4:2:2 10bit 400Mbpsはjpeg fineといったところでしょうか?

キヤノンはシネマEOS、ソニーもハイエンドのビデオカメラを出しているから、4K RAWのサポートをスチルカメラで実現するのは難しいと思う。でも、ニコンはハイエンドビデオカメラを出していないのだから、思い切って4K RAWをサポートしたD850VとかD5Vを出したらヒットするんじゃないかな? そのあたりに活路を求めるのはありだと思います。我ながら先日提案したスクエアセンサーよりもずっと現実的な提案だと思う(笑)

そういえば最近デジカメインフォにSIGMAがFoveonの動画機を開発中かもしれないという噂が出ていたけど、これが実現すればすごく面白い。あの画質で動画になったらたぶんハリウッドが飛びつく。1.9:1の4K(4096×2160)のFoveonセンサーを仮に作ったとしたならば三層でも合計2600万画素程度。映画産業がメインのターゲットなら24fpsで良い。両端をクロップした3840×2160のUHDで30fps行ければ十分。これぐらいならば熱やデータ転送の問題もなんとかなるかもしれない。ハイエンド/プロシューマー向けなら少しぐらい大型化しても許される。

私も時代の流れに取り残されないように動画を強化しようと思う。というか、写真を始める前はもともと音楽を作っていたので、動画に行けば今まで自分が情熱を傾けてきたさまざまな要素を統合できそうな気がする。Steve Jobsの言うところのConnecting the dotsみたいな。

D850、相変わらず在庫ないですな! GH-5買っちゃおうかな・・・ いっそ今持ってる機材を全部売っぱらってRED RAVENとか? ZENMUSE X5SをつけたInspire 2を地上に固定してドローン兼固定ビデオカメラにするのはありなのだろうか?

あ、書き終わってから気がついたけど、動画でも録画中は鏡使わないのでレフの意義については殆ど無いですね。昼間の長秒露光中も光学ファインダーのシャッター降ろさないと写真がダメになるし、むしろ害が多いかもしれない。動画撮影中の光学ファインダーの使用にこだわるとすると二眼になりますね。見てみたいような気もするけど、買うかどうかはわからない(笑)

要するに「ミラーレスが有利なのは否定しないけど、もう少し長い目で見ればそもそもスチルカメラってカテゴリーの存在自体が怪しくなるんじゃない?」って話でした。