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GH5用のSDカード選び

ずっとニコン機で風景を撮ってきたので当初はNikon D850を買うつもりだったのですが、最近動画の仕事が増えてきたのでPanasonic GH5を買いました。D850も歴代ニコン機の中では一番動画の性能が良さそうですが、いろいろと動画について調べているうちに、4K(約800万画素)程度だとセンサーサイズやレンズの解像度よりも大事な要素がいろいろあることがわかってきました。

風景の動画でいちばん大事なのはビットデプスだと思います。Logを使うことである程度ダイナミックレンジは補えるのだろうけど、8bitだと空の階調がかなり厳しいです。CAFについてはソニーやキヤノンのほうが圧倒的に良いのですが、MFで風景メインの私にはGH5が現時点では一番コスパが良さそうです。

GH5はAtomos Ninja Inferno等の外部HDMIレコーダーを使用すると、ProRes422HQという業界標準のハイクオリティなフォーマットで録画できるのですが、流石にファイルが大きくなりすぎるので、ストレージの時間的・金銭的なコストが掛かります(4K QHD 3840×2160 29.97 fpsで800Mbpsぐらい)。現時点では導入を見送りました。動画の収入がもう少し増えたら考えます。

というわけでSDカードに録画することになるのですが、一番良いクオリティのAll-I 400Mbpsもファイルがかなり大きくなってしまいます。128GBで42分しか録画できません。All Intraとかキーフレーム等の説明はうまくまとめているサイトがたくさんあるので省きますが、風景のように動く要素が少ない場合は422 10bit IPB 150Mbpsで良さそうです。動いているものが多いものをハイクオリティで撮りたいときだけ、ALL-I 400Mbpsで撮ることにしました。

で、動画用に新たに購入したSDとすでに使っていたSDカードでテストしてみた結果がこちら。

SanDisk Extreme Pro 300MB/s UHS-II U3 128GB:
400Mbp、150Mbpsともに容量を使い切るまで使用可能。
(さすがに高いだけあって完璧です)

Lexar 1000X 150MB/s UHS-IIU3 128GB:
400Mbpsは7分30秒ほどで録画停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。
(Youtubeで10分以上録画できたという報告もあります)

SanDisk Extreme Pro 95MB/s UHS-I U3 64GB:
400Mbpsは19秒で停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。

SanDisk Ultra 80MB/s UHS-I U1 128GB:
400Mbpsは12秒で停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。

Sandisk Ultra 48MB/s UHS-I Class10 64GB:
400Mbpsは6秒で停止。150Mbpsは1分前後。

Transcend 90MB/s 600x UHS-I U1 32GB:
400Mbpsは8秒、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。

SanDisk Extreme Pro 95MB/s UHS-I Class 10 U1:
400Mbpsは17秒で停止、150Mbpsは容量を使い切るまで使用可能。
(D800Eと一緒に5年前に買った旧型の割には頑張っています。金色のやつです)

400Mbpsで長く撮る必要がない場合はLexar 1000xがコスパ良いですね。150Mbpsで使用する場合はSandisk Ultra 80MB/sがコスパ最高です。SonyのUHS-II 100Mb/s (Writing)のやつが両方無制限に撮れれば、400Mbpsをよく使う人には一番コスパが良さそうです。だれか人柱になってください(笑)

RX100M5でも動画を撮るのですが、こちらはU3対応じゃないと100Mbpsでの録画をシステムが許可しません。60Mbpsで撮ることになっちゃいます。PanaosonicもU3を推奨しているようですが、ご覧のようにU1でも速ければ150Mbpsで無制限に録画できちゃいます。ちなみにRX100M5はU3対応でも最長5分です。ポケットに入るサイズなので仕方がないと思いますが、手ぶれ補正が弱いので三脚かジンバルが必要になるため、4K動画を撮るときは結局かさばります。動画用として考えている人はそのあたりもちゃんと考えたほうが良いです。GH5は手ブレロック機能を使えば手持ちで4K動画が撮れるので生産性は高いです。手ぶれ補正だけの性能で語ればG9 ProとE-M1 Mk2のほうが上なんでしょうが、総合的に考えるとGH5はバランスが良いです。

GH5を買ってからRX100M5の出番が減ったので、先日発表されたHuawei P20 Proあたりを買ってスマホとポケットコンデジの役割を兼用させることになりそうです。SIMフリーで出るかな?

一眼レフがミラーレスに取って代わられる?

「一眼レフが無くなってミラーレスに置き換わる」って話を近頃よく聞く。いや、初代α7が出た頃から聞いていたけど近ごろ聞く頻度が増えた。私も昔はそう思っていたけど、ちょっとちがうんじゃないだろうか、と今は思っている。いや流れ的にはそうなんだろうけど、ミラーがついてるかどうかなんてのは瑣末な問題だと思う。そうじゃなくて、スチール写真は動画の一コマに過ぎないって状態になるんじゃないだろうか? 4K RAWで動画が撮れるプロシューマー機はもうすぐそこまで来ている。

写真集などの大判印刷する必要のない領域で、今の高画素機を使う理由はない。いくらトリミングできると言ってもね。全体の画素の一割〜二割ぐらいしか使わない前提? α9が連射すごいって言ってもPhantom Flex4Kなんて4Kで1000FPSだから、全然次元が違う。すでに個人でRED Scarletあたりを買って風景を撮り歩いている人もいるようだが、そういう人が増えるんじゃないかな。たまたま決定的瞬間を写してしまう可能性も高まるだろう。

もともとスチルのカメラマンで今は動画で稼いでますって人も多い。この意見は別に私のオリジナルでもなんでもなく先輩の写真家の受け売りです。が、先日Panasonic GH-5で4K動画を撮って実際に実感しました。理解するのと実感するのは違いますね。スチルがビデオの一コマでしかない時代はもうすぐそこまで来ている、と確信しました。

GH-5って一応スチルカメラなんだろうけど、実際には動画目的で買っていく人が多いですよね。長秒露光みたいなスチルならではの領域に特化した機種はニッチな市場を捉えて生き残るのかもしれない。一方で秒単位のショットもタイムラプスの一コマにすぎない、という考えもあるでしょう。

スチルカメラの存亡の危機というより、スチルカメラとビデオカメラの間の壁はすでに崩壊しているといったほうが良いかもしれない。REDやARRIなどのハイエンドビデオカメラメーカーも含めた競争の時代になるのではないでしょうか?

そこでちょっとニコンについて考えてみると、D7500やD500も4K動画をサポートしているけれど、センサーの真ん中あたりを4K分クロップした動画のようです(つまりスチルと比べると1.4xぐらいに画角が狭くなる)。またD5の4K動画も同様に等倍切り出し。なのでセンサーの性能をフルに使えない。等倍で完全な解像感のないベイヤーセンサーだと、中心部の切り出しとはいえ解像感は今一つになってしまう。そもそもこの仕様だと超広角で動画が撮れない。ちなみにCanon 5D4も同じような等倍切り出しの仕様のようで、500MbpsのMotion JPEGで巨大なファイルを作る割には、解像感はいまひとつのようです。使える動画機能をもたせちゃってCinema EOSが売れなくなると困るのでしょう。

その点、D850はビデオカメラとしてもなかなか良さそうです。D850はちゃんとFX(フルサイズ)とDX(APS-Cサイズ)で4Kが撮れる! 他のニコン機とは違い等倍切り出しではありません。DXでも2000万画素程度あるので4K動画の解像感は十分です。同じレンズで焦点距離や被写界深度をいろいろと選べる。つまり一粒で二度美味しい。

ただし動画のクオリティはビットレート150Mbpsでどうも8bitっぽい。4096ピクセル幅もサポートしていない。このあたりはGH-5に負けてしまうけど、ビデオカメラとしても悪くはないでしょう。少なくとも今までのニコン機よりはずっと良い。

4K動画をサポートしながらRAWでの動画撮影が不可能で、100Mbps(Sony)や150Mbps(Nikon)の低ビットレートでしか撮れない、というのは静止画に例えてみればjpeg normalでしか写真を撮れないような状態なのだと思います。いくらセンサーとレンズが良くても、それじゃ最高の画質は得られません。GH-5の4:2:2 10bit 400Mbpsはjpeg fineといったところでしょうか?

キヤノンはシネマEOS、ソニーもハイエンドのビデオカメラを出しているから、4K RAWのサポートをスチルカメラで実現するのは難しいと思う。でも、ニコンはハイエンドビデオカメラを出していないのだから、思い切って4K RAWをサポートしたD850VとかD5Vを出したらヒットするんじゃないかな? そのあたりに活路を求めるのはありだと思います。我ながら先日提案したスクエアセンサーよりもずっと現実的な提案だと思う(笑)

そういえば最近デジカメインフォにSIGMAがFoveonの動画機を開発中かもしれないという噂が出ていたけど、これが実現すればすごく面白い。あの画質で動画になったらたぶんハリウッドが飛びつく。1.9:1の4K(4096×2160)のFoveonセンサーを仮に作ったとしたならば三層でも合計2600万画素程度。映画産業がメインのターゲットなら24fpsで良い。両端をクロップした3840×2160のUHDで30fps行ければ十分。これぐらいならば熱やデータ転送の問題もなんとかなるかもしれない。ハイエンド/プロシューマー向けなら少しぐらい大型化しても許される。

私も時代の流れに取り残されないように動画を強化しようと思う。というか、写真を始める前はもともと音楽を作っていたので、動画に行けば今まで自分が情熱を傾けてきたさまざまな要素を統合できそうな気がする。Steve Jobsの言うところのConnecting the dotsみたいな。

D850、相変わらず在庫ないですな! GH-5買っちゃおうかな・・・ いっそ今持ってる機材を全部売っぱらってRED RAVENとか? ZENMUSE X5SをつけたInspire 2を地上に固定してドローン兼固定ビデオカメラにするのはありなのだろうか?

あ、書き終わってから気がついたけど、動画でも録画中は鏡使わないのでレフの意義については殆ど無いですね。昼間の長秒露光中も光学ファインダーのシャッター降ろさないと写真がダメになるし、むしろ害が多いかもしれない。動画撮影中の光学ファインダーの使用にこだわるとすると二眼になりますね。見てみたいような気もするけど、買うかどうかはわからない(笑)

要するに「ミラーレスが有利なのは否定しないけど、もう少し長い目で見ればそもそもスチルカメラってカテゴリーの存在自体が怪しくなるんじゃない?」って話でした。