投稿者「YUGA」のアーカイブ

Panasonic S1/S1R発表を受けての雑感

Pansonic S1およびS1Rが海外で正式に発表された。当初はS1とS1Rを両方買って、ニコンのフルサイズ2台とほぼ動画専用のPanasonic GH5およびM43のレンズを売るつもりだったが、ちょっと考え直しているところだ。

GH5については動画は素晴らしいんだけど、静止画の画質は所詮マイクロフォーサーズ。静止画と動画を両方撮る必要があり、かつ長距離歩く必要がある場合はGH5を持っていくが、静止画を撮るときにいまいち精神が高揚しない。帰ってMACで画像を見てもちょっとがっかりする。もちろんマイクロフォーサーズも進歩しているので、昔使っていた初代E-M5あたりと比べるとずっと良いし、等倍で見ても一応そこそこ解像しているのだが、どこか余裕がない感じがする。

というわけでS1がGH5と同等の動画機能を持っているのならば、S1を動画メインで静止画サブ、S1Rを静止画メインで動画サブとして使おうかと思っていたのだけど、なんだかんだと言ってGH5のほうが動画の性能はS1よりも良いみたいだ。たとえばS1ではライセンスキーを買わないと4K 422 10bitが使えないし、4K60Pだとクロップされるなどの制限がある。また、レンズが揃っていないので、完全にリプレイスするのは難しいと判断した。

S1については将来的に提供されるファームウェアアップデートとライセンスキー購入でほぼ動画メインとして使える実力を身に着けそうな感じだけど、どのみち桜には間に合わなさそうだから、無理して発売時に予約する必要は無いかもしれない。一方S1Rは4K動画に対応してるとはいえ420 8bitの上ラインスキッピングなので、動画用のカメラとしては微妙なスペック。静止画メインだったらSIGMAが発表する予定のフルサイズフォビオンも気になるので、S1Rは買わないでおく。たぶん将来的には更に動画よりに振ったSH1(s)とかS1S みたいな製品を出すんじゃないかと予想して、とりあえずS1と24-105だけ買おうかなと思っている。

同時に発表されたレンズについては、ちょっとラインナップが自分と合っていなかった。あれだけ高額で重い50mmの単焦点はまったく必要としていない。正直なところこういう製品はシグマに任せて、もう少し普通のレンズを用意してほしかった。標準ズームが24-105なんだから望遠は70-200ではなく100-300とかにしてほしかった。というわけで24-105以外に欲しいレンズがない。だからLマウントのボディを2つ買っても意味はない。それならばS1 + 24-105mm F4とGH5 + 50-200mm F2.8-4(換算100-400)のコンビネーションのほうがずっと使い勝手が良さそうだ。とりあえずSIGMAのLマウントロードマップが見えてくるまでは、GH5とS1の組み合わせでで行こうと思う。

気になるのがハイレゾモード。実は先日、富士山と桜が写った縦構図の画像を超大判印刷(1500mm x 2400mm)で使いたい、という依頼が来た。が、縦でスティチすることはあまりないので、その大きさで100dpiの印刷に耐える画像は持っていなかった。ハイレゾモードが実用的に使用できるのであれば、積極的に使用していきたいし、場合によってはS1Rの購入の可能性もある。

でも、大奮発して100/150MPのPhase Oneを買ったりすることはない。RAWデータを見せてもらったが、単にピクセル数が増えただけで、普通のベイヤーセンサーの絵だった。それにレンズが駄目で、単焦点で絞っているのに周辺が甘い。都内を車で走っていても、空白のビルボードが目立つようになってきた。大判印刷や巨大画像のライセンシングの売上がこれからどんどん上がっていくとは思えない。そもそもアマナイメージスなどは展開サイズが100MBまでのファイルしか置けないので、販路も限られる。デジタル機器のリセルバリューはあっという間に落ちていくので、あそこまで高額なカメラを買っても投資金額を回収できないだろう。

広告産業は静止画から動画にシフトしているので、生活を考えるとより動画を重視せざるを得ない。実感として動画で稼ぐほうが静止画の1.5倍ぐらい楽。

カメラのマーケットは今後もスマホに食われて縮んでいくだろう。10年以内に1つまたは2のカメラメーカーが撤退すると予想しているが、角が立つので具体的にどのメーカーが危ういのかは言わない。Panasonicはマイクロフォーサーズもサポートし続けると言っているが、もっとLマントにリソースを集中したほうが良いと思う。縮小していくマーケットで複数のマウントを採用するのは無理がある。将来性のあまりないマイクロフォーサーズは諦め、AU-EVA1の後継機もLマウントにすべきだと思う。

ラブリィポイントをAmazonギフト券に変換する方法

JACCSのカードを使って買い物すると、ラブリィポイントというポイントがつくのですが、皆さん使ってます?

JACCSのサイトでラブリィポイントを商品と交換してもよいのだけど、特に欲しいものがない、という人はAmazonの商品券に変換することも可能です。

変換はGifletというサービスを使います。

JACCSのWeb Siteにログインして、[ラブリィポイント]→[引き換える]→[デジタルギフト]→[Giflet]とクリックします。

商品券を発行すると番号が表示されるので、それをコピー。

Amazon.co.jpに行って、[ギフト券]→[ギフト券を登録する]とクリックして、先ほどコピーした番号をペーストすればamzonのギフト券をゲットできます。

最低でも1100ラブリィポイントが必要。

2020年6月まではキャッシュレス決済の還元もあるので、クレカを積極的に使わないと損ですね。私はApple Payでも設定して使用しています(Quick Pay)。

私の場合、コンビニの支払いをすべてJACCSにしたら、3000円のAmazonギフト券を年2回ぐらい発行できるようになりました。

コンビニ使いすぎ?(汗

FileZillaの設定ファイルの位置と最大アップロード数の増やし方

久しぶりにOSをクリーンインストールしてSierraからMojaveになったのですが、その際にうっかりと隠しファイルになっていたFileZillaの設定ファイルをコピーし忘れて、FTPの設定をすべて手動で再設定するという醜態を晒してしまいました。再発防止のために、設定ファイルのバックアップ方法を書いておきます。

まずTerminalを起動します。スポットライトで”te”と打ち込めば出てきます。

defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE

Terminalが立ち上がったら上のコマンドをコピペで入力して、リターンキーを押下します。

killall Finder

続いて上のコマンドでFinderをリローンチすると隠しファイルが表示されます(思わずMetallicaのKill ‘em allが脳内で再生されるコマンドっすな)。

「Users->ユーザー名フォルダ」に隠しフォルダとして入っている「.config/filezilla」の中に設定ファイルが入っているので、これをクラウド等にバックアップ。

またデフォルトだと同時にアップロードできる最大ファイル数が2なので、これを変更したい場合は、FileZilla->Setting->TransfersでMaximum Simultaneous Transfersを増やします(最大10)。

なんで最大10なんですかね。たまに20ぐらい同時に送りたいときもあるのですが(汗)

ちなみに、隠しファイルを再び非表示に戻したいときは以下のコマンドを使用します。

defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE

そしてリローンチして反映。

killall Finder

MojaveにアップグレードしたらPagesとNumbersが使えない問題の解決法

WordやExcelに比べたら劣るけど、結構スタイリッシュでお手軽に使えたので密かに愛用していたPagesとNumbersなのですが、OSをMojave(10.14.2)にアップグレードしたら「Numbers (Pages) cannot be opened while it’s being updated.」みたいなメッセージが表示されて、アプリが立ち上がらなくなってしまった。

この問題の解決法を発見したので、備忘録を兼ねてここに書いておきますが・・・ 単純に再起動してネットへの接続を切ると立ち上がるようになりました(笑) 一度立ち上がるようになると、ネットに接続した状態でも問題なく使えるようです。

Twitterにおける怪しいRTビジネスにご用心

このツイートをRTしてフォローしてくれた人の中から抽選で100名様に100万円プレゼントします。

ZOZOの前澤さんにより有名になったこの手法、彼がオリジネーターなのではなく去年の暮ぐらいからちょくちょく見かけていた。最初に見た時にこれはどういう手法の詐欺なのだろうか、と思ってググってみたら、以下のページが見つかった。

【注意喚起】ツイッターで「1億円プレゼント」みたいなのは情弱ホイホイです。

このブログの著者のイケハヤさんもいろいろと言われている人で、まぁ、怪しいといえば彼も怪しいのですが、この件に関しては彼が正しいだろうな、と思います。

ちなみに私、前澤さんの投稿に関してはRTしました。もともとフォローしていたし、認証マークがついている本人アカウントなのだから、これで商材を売りつけたり詐欺をしたりするのはリスクが高する。無料で宝くじが購入できるようなものだな、と思ってRTしました。彼にしてみれば数百万人のフォロワーを1億円で買えたのは安いものだったでしょう。

しかし、同様の行為をしている他のアカウントもあります。私が見たのは「投資家L(@L_sa_ma)」「東京の社長(@CEOTOKYO)」「日本の闇を明かす社長(@yamiyam64544273)」「投資家S氏(@kasou_Sshi)」「しらす(@shirasu109)」などによるプレゼント企画なのだが、共通点は以下の通り。

・匿名
・会社名未記載
・認証マークなし

三拍子揃っている。超絶怪しい。

もちろん100%詐欺だと断言はできない。しかし、こんなのをホイホイとRTしているような人は欲深い割には慎重さに欠ける人で、詐欺のターゲットとしては絶好なカモだと思います。遅かれ早かれ誰かに騙されるでしょう。

上記のアカウントをウォッチして、今後どのように転用されるのか確認してみるのも一興かもしれませんね。私はブロックしておきます。

サンタなんて夢じゃない

トランプ氏、7歳の子供に「まだサンタを信じてる?」

トランプ米大統領が7歳の子供に「7歳にもなってまだサンタを信じてるのか?」と言ったことが話題になった。例によって非難轟々だが、典型的な反応は「子供の夢を壊すのはけしからん」というようなものだ。

しかし、ここで使われているような「夢」という言葉の定義に私は違和感を感じる。つまり非現実的なファンタジーを夢と呼んでいるのだ。しかも子どもたちが自主的に「サンタクロース」という人物像を感得したわけでもなく、大人によるお仕着せにすぎない。お前はガキだからサンタでも信じてろ、という感じ。子供を対等の人間だと認めていないからそういうことができる。それが夢? 自分はまったく信じていないのに子供にサンタの存在を信じ込ませることが粋な行為? 私は承服しかねる。

こうやって子供の夢を守っているはずの大人たちも、たとえば自分の子供がYoutuberになりたいと言ったら、声高に反対する者が多いだろう。つまり彼らの頭の中では夢というのは完全に非現実であり、自分のリアルの生活では一切夢を追求せず、せいぜい宝くじを買うことを「夢」などと呼んでいるに過ぎない。

これはある面、極楽浄土の思想の頃からあまり変化していない現世否定主義であり、現実の人生は辛いから、子供のうちぐらいはせめてサンタクロースなどというファンタジーを信じさせてあげよう、ということだ。本人たちは親心だと信じているようだが、子供の可能性を過小評価しているだけではないだろうか?

「夢は現実世界で実際に叶えるもの」という価値観でこの件について考えるとむしろトランプのほうが正しいと思う。

そういう考え方に立つと、サンタクロースなどという非現実的な存在を信じ込むよりも、自分の置かれた現実を正確に認識し、夢を現実的な目標に落とし込み、そこに至る現実的な計画をたて、その計画に従って今日できることを積み重ねていける人間になったほうがずっと良い。

我々は資本主義社会に住んでいる。現在の人間社会で自分の(現実的な目標としての)夢を達成するためにまず必要になるのは、金だろう。贅沢をするのが目的ではない。金があれば自分の時間を作ることができる。そこではじめて本当に自分の夢を追求することができるようになる。金がなければ、生活のために自分の時間を費やさざるを得ない。サンタを夢と呼んでいる大人たちの現実がまさにそれだろう。つまり、幼い頃に基本的なファイナンシャルリテラシーを得ていた方が、夢を成就する可能性は高まる。

また、我々は法治国家に住んでいるのだから法律的な知識を増やしたほうが有利だろう。金があれば弁護士を雇うこともできるのでやはりお金は大事だ。金は目的ではなく手段として重要なのだ。

そして、科学とテクノロジーも同様に重要である。このような迷信を盲信するよりも、科学的思考法を身に着けテクノロジーを有効に活用できる人間になったほうが現実社会で夢を成就する可能性が高い。

もし、夢という概念が単なる現実逃避ではなく現実の延長線上に存在しているのであれば、サンタクロースの代わりに「金と法律と科学」を子供が興味を持つような形で教えたほうがずっと良いと思う。

そんな俗っぽいことは大人になってから覚えれば良い、と思うかもしれないけど、多くの場合、それでは手遅れなのだ。

今後の社会は更に貧富の差が広がり、医学の進歩により金持ちは今までの常識を遥かに超えた長寿を満喫し、貧者たちは奴隷のような存在になる可能性が高い。子供に幸せな大人に育ってほしいのか、それとも子供のうちだけ幸せであればそれで良いのか?

サンタなんて夢じゃない。

インスタでフォロー先が勝手に増えていた件

最近instagramを開くとよく知らない水着のお兄ちゃんとかお姉ちゃんの投稿が表示されて、「何こいつフォローした覚えねぇし」とアンフォローしまくっているんだけど、これがけっこう大変な作業。なにしろインスタは一日にフォローできる数とアンフォローできる数を制限しているようで、アンフォローできなくなると仕方がないのでブロックしていたが、そのうちブロックもできなくてまた明日、って感じでようやく気持ち悪いナルシストたちへのフォローをあらかた外した。この勝手にフォロー数が増えていく現象、グーグルで調べると対策が書いてあるページがいくつか引っかかって、関連付けられているappを外すとか、パスワードを変えるとか書いてあるんだけれど、今ひとつ釈然としない。とりあえずついでに1枚投稿しておくかと思って、Gramblrを立ち上げてはたと思いついた。

私、あまりインスタってやってないんですよね。松屋で牛丼頼んでから食べ始めるまでの時間にちょっと覗く程度です。私は根っからのPC(またはMac)人間で、小学生の頃から8bitのパソコンで遊んでいた経緯もあって、デスクトップPCへの愛着が大きく、私にとってスマホは出先で仕方なく使う代替えデバイスでしかないのです。というわけで、スマホをわざわざ立ち上げてインスタへの投稿とか面倒クセェ、と思って、PCから投稿していたのですが、どうやらそれが原因だったらしい。そう、これ、ほぼ間違いなくGramblrの仕業です。試しにさっきGramblrから投稿したら、鍛えた筋肉見てよ〜系のカスを4人ほど新たにフォローしていた。

いつも、ライトルームから吐き出した写真を投稿するだけだったので、UIとかもよくチェックしてなかったのだけど、よくよく見てみると、Gain Folowersとかそういうメニューアイテムがあって、どうも金でフォロワーを買ったり、いいねを増やしたりできるようなシステムだったらしい。私としては単にスマホから投稿するのが面倒なので使っていただけだが、こりゃとんでもないクソアプリを使っていたんだな、と反省した次第。もう使いません。

しかし、この金でフォロワーを買ってる人たち、哀れってか、馬鹿じゃね? と思ってしまいますわ。そんなことしても何の意味もないよ。有名人になりたいんだったら、その金または金で買える時間を使って自分を磨いたほうが良い。価値のある存在になれば勝手にフォロワーなんて増えるから。中にはどこぞのオフィシャルサイトもあって認証マークもついてたりして、闇の深さを垣間見てしまった。捨て垢で運用して金でフォロワーを買ってる奴らを暴くツールとしても使えるかもしれない。が、当然私はそんな面倒なことはしない。

この作業をしている間、頭の中でずっとこの曲が鳴り響いていた。
Don’t get any big ideas
They’re not gonna happen
この曲の歌詞、嫌いだったんだけど、ようやく共感できるようになったのが収穫・・・(笑)

ちなみにこのアプリ数年前から使っていますが、この問題が表面化するようになったのはつい最近です。

アル中と風景写真の微妙な関係

日本のコンテンツの国際的な需要って春の桜が圧倒的で、クライアントからの撮影依頼や通訳ガイドの依頼に自分の撮影が重なってめちゃくちゃ忙しい。最近は秋の需要も増えていて、すでに紅葉の時期の予定が埋まりつつある。

自分の場合、春と秋以外は頑張って撮ってもあまり金にならないし、夏場は出かけようにも避暑地に住んでいるので近所が常に混雑しているし、夏場に家にいないんだったらなんのために避暑地に住んでいるのかよくわからない。たまに所用で東京にいくとほんと糞暑くてうんざりする。暑いの苦手なんですよ。人混みも。夏の東京はダブルで辛い。

というわけで、梅雨あたりから編集や登録等、家での地道な作業が増える。が、これがつまらない。ほんとつまらない。うんざりする。で、結局、酒の量が増えてアル中気味になる。私の場合、アル中を避ける唯一の手段が寝食を忘れてゲームに嵌まることなので、結局8月は家でずっとドラクエ11とモンハンワールドしてました(恥)。

アル中って要するに現実逃避ですから。ゲームと通底するところがあるんですよ。しかし、決定的な違いがあって、アルコールは習慣的に飲む量が増えれば増えるほど中毒になるけど、ゲームの場合はプレイし始めてすぐに中毒度がピークに達して、カンストする頃には飽き飽きしている。だから1つのゲームに飽きて次のゲームに移るタイミングで真人間に戻るチャンスが来る。

自分の場合、ゲームに嵌まると廃人プレイしちゃうんで10年以上やめてたんですけどね。未だに40時間ぐらい睡眠とらずにぶっ通しでゲームしちゃう自分にちょっと感動した。ゲームってほんとコスパ良いよね。映画100本とかに相当する時間のエンターテイメント体験を数千円で提供するんだもん。2つ合わせてもビール20本ぐらい? すごい。

制作に関連したみなさまどうもありがとうございました。おかげさまでアル中が(一時的に)治りました。フルダイブのMMORPGが完成した頃に、廃人プレイできるように今のうちから経済的な基盤を確立しないとね。それまでは死ねない。地道な作業、がんばろう。アル中になりそうになったらまたゲームしよう。

ま、涼しくなってきたので撮影がんばります。ってか撮影は頑張る必要ないんだよね、楽しいから。タグ付け・登録作業担当のパートさんを雇えるようになる日を夢想しながら、今日も地道に働くか。雨だし。

CANON EOS R発表についての雑感(あるいは業界の動向についてのただの愚痴)

新しいカメラが出たときにまず注目するのが動画機能。というかよほど大きくプリントしたいとか、よほど連射とAF性能が必要だとか、よほど高感度に強いとか、よほど下手くそでもとにかくシャッターボタンを押してりゃ撮れるとか、そういうニーズ以外、これ以上なにをスチルカメラに求めるのか? 業界としては『フルサイズミラーレス』をバズワードにして売りたいんだろうけど、一般的な消費者はスマホさえあれば良い。
一番頑張ってほしい基本的な性能であるダイナミックレンジはここ十年でせいぜい1~2EVぐらいしか広がっていないし、階調表現もたいして進化していない。実のところ静止画の画質なんて5DM2の頃からあまり変わっていない。真っ暗闇でも合焦するAFとか、ものすごく食いつきの良いC-AFとかそういう「誰でも撮れる」って部分の機能だけがどんどん進化している。
おかげで10年経ってもストックフォトとしての価値があまり下がらないのはありがたいけれど、デジタルオーディオの世界はあっというまに8bitのド素人が聞いても汚い音から24bitに進化したので、画像・映像の世界の進歩は本当に遅いなぁ、というのが実感。

 

だからD800とか5D3あたりを未だに使っているプロとしては、見栄と物欲いがいはあまり買い換える理由がない。プロの場合は浪費ではなくて投資なので、コスト管理がシビア。ようするに機材を買うことで収入が増えないと意味はない。
例外的にすごく儲かっている人は特に必要性がなくてもどんどん買う。特に30万以下のクラスならば、経費として一括算入できるので、どうせ税金でとられるんだったら買っちゃうか〜みたいなのりで買える。あとはメーカーの広告・販促サポートが生業のプロ写真家たちは、当然、自分のお客さんの製品を絶賛して、まるで買い替えが必要かのように煽る。それがお仕事なので。でも実際に成果物を販売して生計を立てるプロにとっては、静止画の画質のために新しいカメラに買い換える必要性は薄い。
ま、とにかくここ10年でスチルカメラの機能は良くなったけれど、画質自体はあまり進化していない。
そんななかで劇的に進化しているのが一眼カメラについている動画機能。GH5なんて動画9割、静止画1割ぐらいの割合で使っています。それに動画のほうがスチルよりも儲かる。というかたいして儲からないけど、スチルほど過酷な状況ではない。先日、NYCのタイムズスクエアの映像を360 VRでみて驚いたのたけど、広告は殆ど大型TVになっている。都内をドライブしているときも広告募集中のビルボードがすごく目につく。大型TVに置き換わっている以上に、スマホがターゲットの広告が増えているので、高画素機とかなんに使うの? って感じはかなりする。スチルの広告写真はこれからもどんどん動画に置き換わるわけで、こんな状況でスチルカメラに多大な出費なんてしてられないのです。でも、プロ用の動画機としてみるとすごくコスパが良い。

 

動画の世界には「名前がでるだけで大喜びして、無料で喜んでプロの仕事をしちゃうハイアマ」がほとんどいない。この点も大きい。そういう「名前がでるだけで大喜びして、無料で喜んでプロの仕事をしちゃうハイアマ」がたくさんいる世界のプロは死に絶える定めです。ある程度以上の技能を持った層の大半が「名前なんてどうでもいいけど、金はしっかり払え」という業界じゃないと生活できません。クレジットを載せるから無料で写真を使わせてください、とか連絡してくるTV局、タヒね。とか思わず感情的になってしまいたくなるときもたまにある。
 
閑話休題。ま、そんなわけで今回のEOS Rもまずは動画機能に注目してみたが、なんと外部出力だと4K 10bitいける! これは思い切ったことをした。
 
キヤノンのデュアルピクセルCMOS AFはソニーよりも更に評判が良いので、動画でAFを使いたい人にはすごく良さそう。この点、PANASONICもだいぶ良くなったけどまだまだ負けてます。ちなみにNIKONのAFは動画用としては論外なレベル。Zシリーズは試していないけど、この点に関してはまったく期待していない。
 
もしクロップなしの全画素読み出しならば、ソニーのαシリーズより動画用としては良いでしょう。ただし画素数が多いのでローリングシャッターは気になるかもしれません。Cinema EOSがあるのによくここまで出してきたなぁ、と感心しました。C200の購入を検討していた人はだいぶこちらに流れるでしょう。FS5、URUSA Mini-Pro、EVA-1あたりも含めて、安めのプロ動画機を買う意味がなくなってきています。
 
これでA7S3も10 bitに対応せざるを得なくなりましたね。もはやチキンレース状態。ソニーとキヤノンはプロ動画機を守るために出し惜しみしてきたけど、出し惜しみできない状態になりました。プロシューマー機で稼がないとならないプロには良いことです(笑)。
 
ニコンも最近動画がんばっているけど残念ながら周回遅れです。ただしタイムラプスに関してはニコンが一番良いと思います。ソニーは本体から機能削ったし、PANASONICはインターバル撮影中にISOやSS等をマニュアルモードでも変更できないので明暗差が激しい朝夕の使用は厳しい。Nikon機はタイムラプス中のバッファの使い方が巧みで、同じSDカードでもニコンだとディスクフルにならないし、シャッタースピードもギリギリ長く設定できる。GH5はUHS-IIの一番速いSDカードでも1秒間隔でRAWを撮ってると500枚程度で書き込みが間に合わなくなることがありますが、D800Eのような旧型機でずっと遅いCF/SDカードにずっと大きいファイル(36MB 14bit RAW)を1秒間隔で書き込んでもニコンでは999枚余裕です。0.5秒間隔で撮れるのもニコンだけ。露出平滑化機能もある。
 
しばらくは様子見ですが、キヤノンのRのほうがニコンのZよりは面白そうです。Z6/Z7だったらD850のほうがずっと良いカメラかな、というのが正直なところ。ミラーレスか否かという点に注目が集まっているけど、カメラとしてどちらが良いか、という点のほうがずっと大事だと思います。EOS Rの場合、少なくとも5D4よりはだいぶ良さそうに見える。

P.S. やはりローリングシャッタはかなり酷いようなので被写体を選びますね。
https://www.youtube.com/watch?v=SAZKPQRBREc

Facebook株急落について思うこと

Facebook株が急落–時価総額が1日で約13兆円減少

Facebook株の急落で真っ先に気になったのが、360VRの将来がどうなるのかということ。現在、静止画と動画で稼いでいるが、360VRコンテンツへの参入を検討していたので将来が気になる。FacebookはOculusを買収していて360VRやる気まんまんなんですよね。まぁ、本業のSNSビジネスが頭打ちならば投資は継続するのかな。

しかし急落したと言っても株価はまだ176ドルある。確か株式を公開したときは40ドルとか20ドルぐらいだったような気がする。当時はGoogle+をメインSNSとして利用していたこともあって、周りはアンチFacebookばかり、どうせすぐに公開価格割れするとか一時的なバブルだとかそんな発言が多かったけど、買っておけばよかったなぁ。

そのGoogleについても同様で、私は翻訳業界にいたこともあって1998年、つまり創業直後から使っているんですよね。Googleが現れるまではAlta Vistaを使っていた。しかしGoogleが株を公開したときも買わなかったんですよ。Amazonも日本でサービスを開始したときに同時に利用し始めたのに株を買うという発想がなかった。はぁ。

よく老後に備えて貯金とか言うけど、自分が好きな分野とか得意な分野に限って投資するのが一番良いと思う。いま30年前の自分に一言アドバイスできるとしたら「自分が好きな分野に投資しろ」と言いますね。もう一言いって良いなら「10年単位で物事を考えろ」かな。一年の計をたてるひとは多いけど、10年単位で考えられる人は少ないんだよね。一発逆転とか一攫千金とか浮ついた考えを若いうちに捨てることができていたら・・・ま、生来の性格ゆえ、無理かな(笑)

まだ私もくたばりかけてはいないので、これからのことを考えてどこかに投資しよう。360VRのコンテンツを制作するというのも時間とエネルギーの投資だよなぁ。この分野はテクノロジーの伸びしろが大きいのでいまInsta360 Proクラスで撮っても5年経ったら解像度が不十分ってことになるかもしれない。

要するに未来のことはわからないけど、どこかに賭けないといけないってことですね。たとえ公務員になったとしても、本命馬の複勝を買っているような人生というだけで、絶対に安泰というわけではない。